ラブ&ポップ感想

アマプラのオススメかなんかに出てきてジャケ写雰囲気良いし監督庵野だしちょっくら見てみるか〜と軽い気持ちで視聴したらバケモンだった。
性を売りながら刹那的に今を生きる世紀末の女子高生の話。
特筆すべきはまず気持ち悪すぎるカメラワーク。主観とそんな所にカメラ設置する?って構図が多用されていて、特に主人公たちを見る男の目線がまあキモい。チャリ乗ってるところ下から撮るなキモい。おいそのシーンも主観にすんの?キモすぎ。などの感想で頭がいっぱいになる。褒めてます。
それとすげーなって思ったのがレンタルビデオ屋から出てきた主人公が「わからない」でいっぱいいっぱいになりながら歩いてるシーンが自分のパニック発作の脳内と完全一致してた。すげー。「ちーちゃんはちょっと足りない」(空が灰色だからの作者が描いた漫画)の登場人物が悪い行いが周りにバレたあと自己嫌悪と罪悪感でしのうかな〜とか考えながらフラフラ歩くシーンがあるんだけどそれ見た時も同じような気持ちになったわ。両者とも最悪なことがあった後の脳内が怖いくらいリアルに表現されてる。すげーよ。
これは少しネタバレなんだけど主人公が怖い目に遭うシーン、性的対象としてしか主人公をみてない男が意見をころころ変えたり簡単に約束を破るのめちゃくちゃリアルだった。そうなのよ。そういうことする男はみんなそう。自分も若い頃わざと危ない橋渡ったことある(金銭の授受はしたことないが)のでそれに対する主人公の反応もそうだよな……って感じ。自分から選んだ選択なのにね。思春期って何故か自ら危険に飛び込みたくなるよな。わざと汚れてセンチメンタル感じたくなるというか。主人公ちゃんちょっと「オタク男が考えたちょっと理想的な女子高生」感は端々に感じたけどまあその不自然さも庵野っぽくて良かった。友人の中で自分だけ置いていかれてるような、周りが羨ましくて嫉妬しながら焦ってるような、思春期特有の気持ちを思い出して苦しくなった。美人でモテてちょっと不良な感じの子の隣で自己嫌悪してた中学時代とかね。ワハハ。
共感という点ではぬいぐるみの男にも共感できないこともない。男にとって主人公は「助けてくれた優しい良いやつ」であり「自分を大切にしない悪いやつ」で、精神的に未熟(というか恐らく大人になれない系の精神病)だからぐっちゃぐちゃになって怒鳴ることでしか感情の整理がつかなかったのかなとか。クズだけど思考の原理は理解できるというか。利用しようとした女が超いいやつで、でもこんなことしてて悔しかったのかもなとか。あるじゃんそういうこと。コイツのこととことん嫌いきれたら良かったのにって時。彼が幼稚だからああなってしまったわけですが。
あの男たち2人とも「おまいら」の部分があって最低のクズなのになんか守りたくなってしまうんだよな。しゃぶしゃぶ説教おじとは別の感情を抱いてしまう。クズだけど。
読みづらいことこの上ないと思うんだけど、溢れる感想が全然上手く整理できないんだ。すまん。とにかくアングラサブカル好きは是非見てほしい。あと鳥肌実っぽい人がちょこ〜〜〜っと出てくるけどそれ本人ね。エンドロール見て笑ってしまった。